top of page

職場の屋上で昼休憩してたら、

空に飛行船が浮かんでた。

いまどきめずらしい。

午後休憩にまた見たくて屋上あがったら、

もう消えてた。


九月十一平凡な日のお赤飯 門前の犬と別れて秋深し 昏れてゆくギャラリー横の小守柿

幼稚園にあがる前の記憶。 祖父の家が本家で夏に法事があった。 農家だったので庭が広かった。 古い井戸があり、退屈だったぼくは、井戸に石を落として遊んでいた。 ぽちゃん、と音がするのをおもしろい。 すると、中から煙が出てきて、それは着物を着た女の人になった。 着物の女の人は 「悪さをしてはいけません」 と言った。 幼いころのことで、実際は親戚の叔母さんに叱られたのかもしれない。 ただ、そのセピア色の映像が脳裏にうっすら残っていて、

夏になると「ご先祖だったのかも」と思い出す。

bottom of page