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キャッチボール

子どもの頃、家庭の事情で、父がいなかった時期があった。

専門学生の頃、父の働く運送会社で、バイトさせてもらった。

バイト仲間の1人だった、僕と同じ歳のO君。 陽キャで楽しい。僕も仲良くなった。 仕事帰りに、社員の方も一緒に、みんなでご飯を食べに行ったり、 カラオケで歌ったり、楽しかった。

O君は高校生のとき、野球部だったそうで、 テレビでプロ野球を見るのが好きな父と、よく野球の話をしていた。

ある日の昼休み、配送所の広い敷地で、父と彼がキャッチボールをしていた。

楽しそうな2人を見て、嫉妬やうがった気持ちでなく 「いいなあ」と思った。

そして、自分が子どもの頃、父とのキャッチボールが重なり、 ボールを目で追った。

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