柱の傷実家を売却した。 家は取り壊されるが、おわかれに掃除することにした。 台所の柱の傷は 鉛筆で書いた線、マジックで引いた線、 背の高さを測ったしるし。 そこに僕が立っていた。 妹が立っていた。 新しい雑巾を絞り、柱を拭き、 凹んだ傷跡を指でなぞった。